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【解説】メディアリレーションズとは?DXで変わる広報業界の未来

ビジネスにおける広報担当者の重要性は増大する

PRSJ(日本パブリックリレーションズ協会)が行った、2020年9月~10月に企業の広報担当者232名を対象にしたアンケート調査では以下のような結果が出ています。

コロナウィルス感染拡大を受け、「広報担当者の役割が増える」と回答した人は72.3%。約4人に3人は広報担当者の重要性が増すと認識しています。これに加えて、ステークホルダーエンゲージメントと、ステークホルダーとの共感醸成がより重要になると回答した人が87%となっています。

面白いことに、コロナウィルスの感染拡大前に重要視されていたステークホルダーは1位が「マスメディアやレガシーメディア」だったのに対し、感染拡大後は1位が「従業員」、2位は「顧客」となり、マスメディアやレガシーメディアへの重要性が大きく下がったのです。

これは紛れもなく、コロナ禍によりデジタルの存在が際立ち、多くの広報担当者が従来のメディアリレーションに頼るのではなく、「デジタルも取り組まなければ!」と危機感を持つようになったためです。

2020年第4四半期(10月~12月)にAmazon.comが1,000億ドルを超える収益を叩き出し、過去最高をマークしました。これだけで、コロナ禍により、デジタルの重要性がどう増したかが判断できます。

93%の広報担当者は非対面メディアリレーションズが必要と考えている

次に紹介するデータは、広報担当者の人材データベースとして知られるSCALE Powered by PRが行ったアンケート調査によるもので、会員から得た回答を集計しています。

それによると、93%の広報担当者は「コロナ後の広報は変わる」と予想しています。具体的にはオンライン記者会見や非対面メディアリレーションズが常態化するということです。そして、変化はすでに起きています。

企業によってはライブ配信を使ったオンライン記者会見や、動画配信によるプレスリリースへ積極的に取り組んでいます。広報業界においても、「デジタルトランスフォーメーション/DX(デジタル技術を用いた変革)」が起きているのです。

「オフラインリレーションズ」だけでは通用しない時代

レガシーなメディアリレーションズ手法を「オフライン」とするならば、現代ビジネスに必要とされる手法は「オンライン」化と呼べます。IR活動でもオンライン株主総会を行うなど、デジタルの波は確実に大きくなっています。

最近では、コロナ禍の落ち着き(というよりは慣れ)により対面接触の機会が増えたことでしょう。

メディアリレーションズも徐々に従来の姿を取り戻すかもしれないと思われていましたが、やはりオンライン化に向かうスピードに変化はありません。時代がデジタルを求めています。

これはもう、一広報担当者が対処出来るレベルの話ではありません。既にオフラインのメディアリレーションズだけでは通用しない時代に変わった、と考えるのが賢明です。

メディアリレーションズをオンライン化するだけでなく、広報担当者がデジタルを通じて直接的に情報発信できる方法を模索していくことが重要です。

「オフラインリレーションズ」だけでは通用しない時代

日本の広報業界のメディアリレーションズは長らく、アナログ手法によって成り立っていました。そのためか「これを機にPRもデジタルトランスフォーメーションへ乗り出そう」を考える企業は、まだまだ非常に少ないように感じます。

広報業界のデジタルトランスフォーメーションについては、「今よりも多くのデジタルツールを活用して、メディアリレーションズを効率化する」という手段が代表的です。

従来のメディアリレーションズがアナログだったことはすでにご説明しました。では、どう変化すればいいのか?というと、先進的なデジタルツールの導入によりメディアリレーションズを効率化し、より素早く、より太いパイプラインを作ることに他なりません。

CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)などのツールを耳にしたことがあると思います。これらを使用すると、メディア関係者の情報を統合管理できるだけでなく、プレスリリースに際しフォローメールを一斉送信したり、メールの開封率をチェックできたりするので、メディア分析において極めて重要な役割を果たします。

AとB、2つのニュースレターを作成して「どちらの開封率が高いか?」を分析するA/Bテストも可能になり、メディア関係者が思わずクリックしたくなるようなニュースレターの特徴分析なども可能です。

デジタルを活用するということは、データを扱えるようになるということです。

すなわち「データドリブン(データ駆動)メディアリレーションズ」と呼べる先進手法を取り入れ、メディア関係者との関係構築を効率的に実施できるようになります。

数は少ないですが、コロナウィルスの感染拡大前からデジタルトランスフォーメーションを取り入れたメディアリレーションズに取り組んだ企業が存在します。トヨタ自動車の「トヨタイムズ」などは好例です。

彼らは感染拡大後も手法を変える必要がなく、リモートワーク化の流れが後押しをして以前にも増してメディア関係者の開拓に成功しているのです。

広報のデジタルトランスフォーメーションに必要なこと

デジタルの波が大きくなるにつれ、従来のアナログ手法は淘汰されていきます。

もちろん、メディアリレーションズの重要性はまだまだ変わりませんが、他社に先んじて自社の情報を効率よく発信するためには、広報担当者は先進のデジタル手法を用いて、メディアとの関係を再構築する必要があります。

では、デジタルトランスフォーメーションの渦中へ飛び込むには何が必要でしょうか?あるいは、今の自社には何が足りないのでしょうか?

デジタルトランスフォーメーションへ取り組むにあたり、ほとんどの企業で決定的に課題となるのが「ノウハウ不足」です。

政府は、2018年9月に「2025年の崖」を提唱し、産業全体にデジタルトランスフォーメーションの重要性を叫びました。しかし、そこから数年経った今でも、日本企業のデジタルトランスフォーメーションが飛躍的に進んだとはお世辞にも言えない状況です。

その原因は、「2025年の崖」が提唱される以前から、すでに日本国内で企業のデジタル化への取り組みが遅れていたことにあります。

デジタルトランスフォーメーションは「必要だから」と言ってすぐに取り組めるものではなく、複数のデジタルツール運用と各種ツールを横断したビジネス推進という成功体験を経て、初めて成せることです。実は、広報業界ではそうしたデジタルツール運用が思いのほか進んでいなかったという実情があります。

だからこそ、デジタルトランスフォーメーションが喫緊の課題とされた今でも、その渦中に飛び込めない企業が多いのは仕方がないかもしれません。

しかし、この課題を解決する方法のひとつに、ノウハウが不足しているのなら、それを補うパートナーを見つけるという選択肢があります。

メディアリレーションズだけじゃない、広報担当者の役割はまだまだ広がっていく

最後に少しだけ、未来の話をします。

デジタル社会が進むにつれ、生活者や企業担当者の情報に対する審査プロセスは年々厳しいものになっています。

別の言い方をすれば、メディアから一方的に発信される情報を嫌う傾向が、少しずつ強くなっているということです。

他方では、自分自身で辿り着いた情報には満足度と信頼度が高く、素直に受け入れられる傾向もあります。

この心理を巧みに利用したのがコンテンツマーケティングやSEOなどの手法です。

これからの広報担当者は、メディアリレーションズを通じてメディアとのパイプを太くすることに注力するだけでなく、より戦略的なコンテンツ発信が重要になっていきます

メディアリレーションズはデジタルツールの運用で効率化を進めながら、生産性を高め、よりクリエイティブな仕事に注力できる環境を作り出せるかが、今後の成否を分ける鍵になるでしょう。

「未来の話」と前置きしましたが、デジタルは誰の目の前にも、すでに用意されています。

この未来の話を「今」にできるかどうかは、勇気を持って一歩踏み出した人や企業だけです。

従来のメディアリレーションズ手法は果たして正解か? また、そろそろ限界ではないのか?

皆さんもこれまでの自社の広報活動を振り返り、デジタルの可能性に目を向けてみてください。


いかがでしたでしょうか? 多くの企業はこれまでの「株主中心」的な企業活動から、「企業を取り巻くステークホルダー」全体に向けた企業活動へと、コミュニケーションの方向を変えていく必要に迫られています。つまり、適切なタイミングで、適切な情報発信を続けていくことが求められているのです。

広報活動を属人化させず、客観的かつ再現性の高い広報活動をおこなうために、デジタルデータを活用することで、メディアリレーションズはアップデートが可能となります。

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