【グローバルPRトピック】クリニークはTik TokによってZ世代とどのようにコミュニケーションしているのか

【出典】PR WEEK “How Clinique is reaching Gen Z on TikTok | PR Week”
【翻訳・編集】Lacreta
今回は、グローバルPRトピックの第3弾として、Z世代(1990年代中盤以降に生まれた世代)に注目し、大手化粧品ブランドのクリニークが、どのようにブランドコミュニケーションをおこなっているかをキャンペーン事例とともにお伝えします。
■本記事について
- 読了目安:5分
- ページ数:1 ページ
■本記事のサマリー
- Z世代はありのままの「不完全さ」に価値を感じるため、若い世代にアプローチするには彼らにマッチしたコミュニケーションが必要になる。
- クリニークがTikTokでキャンペーンをした結果として、20億回以上再生され、売上にも繋がった。
- TikTokはブランドとのインタラクティブ性が高まっており、友達や小さなコミュニティと繋がることを目的に活用されている。
クリニークのZ世代への戦略は”ブランド自らが改革”すること
美容ブランドにとって、美肌モデルを宣伝する時代は終わりました。
Z世代は物事の「不完全さ」に価値を感じるため、何十年もの間、スタンダードであったものとは異なる種類の美しさ、つまり、にきびなどがある”ありのままの自分の肌”を受け入れたいと考えています。
クリニークのような有名なブランドにとって、若い顧客層を射止めるのに必要なのは、認知度を高めることではなく、彼らに向けた「言葉」でコミュニケーションを取ることです。
北米クリニーク副社長であるSameer Agarwal氏は「最大の課題の1つは、クリニークがにきびケアのできるブランドとして人気を維持するために、ブランド自体を改革することです。」と、述べています。
「Z世代の消費者に、信頼できてリアルな情報だと感じられるようにブランドを紹介するにはどのようにすれば良いでしょうか?」

Tik Tokキャンペーンでクリニークが獲得したもの
クリニークは先週、プラットフォーム上で#ZitHappensと呼ばれる、にきびケアキャンペーンを開始し、にきび対策の3ステップを宣伝しました。
クリニークがTikTok用としてつくった最初のキャンペーンには、ハッシュタグへの投稿キャンペーンが含まれており、にきび洗顔、角質ケア、保湿製品の3ステップに関する動画を投稿するように促しました。
クリニークは、TikTokで”Skin positivity”(スキン ポジティビティ)や、マスクの着用で発生する「マスクネ」(マスクとアクネ菌をあわせた造語)について、ユーザー間で話題になっていることに気づいた後、このキャンペーンを考案しました。
“Skin positivity”は、2015年にブロガー のEm Ford氏が”You look disgusting”という自身のにきびに関する動画をWEB上に投稿したのが始まりでした。
その後、SNSでムーブメントが起こり、にきびに悩む人々の間で、自分の肌に自信を持てるようになることへの関心が高まりました。
にきびがある自分のセルフィーを投稿する人々が増えるにつれ、その活動は広まり、近年ではにきびに悩む人々がお互いの情報をシェアするコミュニティにもなっています。
クリニークがクリエイターのグループと拡散したこの動画は、TikTokで20億回以上再生され、すでに売り上げを伸ばし始めているとAgarwal氏は付け加えています。

肌に対するZ世代の価値観の変化がクリニークを共感できるブランドへ
クリニークは約1年間、クリエイターと協力してTikTok広告を展開しました。
しかしながら、自社のサイトでビーズジェル製品を発売するまで、TikTokが売上拡大に繋がることに気付いていませんでした。
Agarwal氏は「数人のクリエイターが独自にTik Tokを使ったキャンペーンを取り上げた結果、すぐにそれが店頭販売に繋がることを実感しました。」と述べています。
「TikTokというプラットフォームは、これまでのマーケティングファネル概念の変革にチャレンジし、ユーザーとの関係性と認知度を高めるために、信じられないほどのポテンシャルがあります。一方で、ファネル下部にあたる購買行動も促進することができるのです。」
TikTokに続いて、#ZitHappensキャンペーンはSnapchat上で、よりZ世代にマッチした形でおこなわれていますが、Agarwal氏は詳細の共有を拒否しました。このキャンペーンは、女子大学生のグローバルネットワークであるHer Campusと提携して実施されていることがわかっています。
「コンテンツに対して使い回しのアプローチを採用したくありません」とAgarwal氏は述べています。
「TikTokはブランドとのインタラクティブ性がさらに高まっていて、友達や小さなコミュニティと繋がることを目的に日々投稿されています。」
また、クリニークは民族、性別、しみやほくろ等の肌の色など、多様性の観点から各国のモデルを採用し、画像のレタッチの量を減らしています。
Agarwal氏は「私たちは昔から美の理想を押し付けるのではなく、女性が自分の肌のことを知り、彼女たちに寄り添うブランドであり続けることを目指していましたが、彼女たちは自ら行動し、自分たちに合ったブランドとは何かを学び、自分たちの美意識をより高いレベルへと引き上げました。」と述べています。
クリニークは、このようにしてTikTokを日常的に使用するプラットフォームとして使うZ世代に、より自然な形でアプローチし、キャンペーンを成功しました。

いかがでしたでしょうか?
今回の記事は、クリニークがどのようZ世代に対してアプローチし、いかにして愛されるブランドへ育てていくか、という点に着目し、TikTokを通じたコミュニケーション(プロモーション)をご紹介しています。
Z世代を含め、現代の人々はWEBやSNSを経由して、友人はもちろん、見知らぬ人のリアルな投稿を日常的に見ています。写真には、当たり前のように加工アプリが使われていることなどもあって、完璧に修正された肌よりも、にきびなどで不完全な肌の方がより自然な状態で受け入れやすいと感じることも、少なくありません。
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