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【ラクレタ対談】
これからのテレビCMと目指す未来  

今後の未来を切り拓くために、さまざまな業界の過去を振り返り、現在を見つめ直す対談企画です。

第3弾は、「これからのテレビCMと目指す未来」と題し、現在のテレビCMで出来る事や活用方法などを事例と一緒に紹介しています。

PRやマーケティングに初心者の方から、知識が豊富な方まで幅広くお読みいただける内容にしておりますのでお気軽にご覧ください。

■この記事について

  • 読了目安:7分
  • ページ数:1ページ

■本記事のサマリー

  • テレビCMの広告効果は、Web広告と同じような感覚で分析、改善できる
  • テレビCMのリーチ単価は非常に安いため、認知獲得が目的の場合はデジタル広告よりも効果的
  • Web広告においても、アトリビューション分析は重要

■対談者プロフィール

株式会社ラ・クレタ マーケティング・シニアディレクター
沖田 匠

東京都出身。米ピッツバーグ大学 コミュニケーション学部卒。日本に帰国後、エンターテイメント業界のプロモーター、大手出版社の広告セールス、大手広告代理店のプランナーを経験。デジタルマーケティングにおけるプランニングを得意とする。主な実績に、NISSAN、SONY、CITIZEN、NEC、Kanebo、ANA。ラ・クレタでは大手メガネ小売店、MVNOキャリア、大手ホテルチェーン等のPR~マーケティング分野を手掛けている。

廣告社株式会社 デジタルプロダクツ推進部 ウェブ解析士、マーケティングマスター
黒川聡

廣告社ではマーケティングプランナーおよびコンサルタントとして、一般消費財~B2Bブランドまでマーケ・コミュニケーションプランの作成・実施からクライアントの事業計画策定サポートまで幅広く従事。近年は、自社のデジタルビジネスの底上げや新規事業の立ち上げ・推進を行う「デジタルプロダクツ推進部」に注力し「広告ダイレクト」「CMの窓口」も担当。自社およびクライアントのビジネス拡大に尽力中。


電通「日本の広告費」によると、毎年右肩上がりのデジタル広告費に対し、既存のマスコミ4媒体の広告費は減少傾向が続いています。テレビをはじめ、オフライン広告の現在の状況はどうなっていますか?

黒川
「弊社は意外とオフライン広告が好調で、中でもテレビCMが伸びています。多分、弊社以外でもテレビCMが伸びている会社さんはあると思いますよ。
メディアの利用時間という点では、40代以下の層はテレビよりもネットが多くなっています。とはいえ、若者やネット系のサービスにテレビが効かないというわけではありません。その証拠にゲームやアプリ、ネットベンチャーもテレビCMをガンガン流していますよね。

これはどういうことかというと、理由はいくつもあると思うのですが、その一つとしてデジタル広告の縮小最適化問題がありますよね。デジタル広告でCVにどんどん最適化していくと、ある程度のところでCPA(顧客獲得単価)が頭打ちになってしまうのです。

そのため、さらに市場を広げていきたい、認知拡大したいという場合、やはりテレビCMにステップアップすることになります。

そして、いまテレビCMの世界ではアドテックが非常に活況を呈していて、いわゆる運用型テレビCMができるようになってきたんです」

CMのお問合せサイト『CMの窓口』

──運用型テレビCMとは、どういうものですか?

黒川
「テレビCMの広告効果を、Web広告と同じ感覚で数値データで分析し改善するための仕組みです。
従来、テレビCMの広告効果は、実際のActionへの紐づけが難しく測定が難しかったのです。一部のナショナルクライアントの宣伝部は多くの事例を蓄積してその調査ノウハウを持っていましたが、多くの企業ではCMの費用対効果をきちんと分析できる仕組みを持ち合わせていませんでした。

そのため、CMを流した後に、CMの影響でどれだけ売れたかとか、行動に繋がったかといった効果測定が難しかったのです。

一方で、Web広告では数値データで効果測定し、広告のPDCAを回していく手法が確立しています。その考え方が、テレビCMにも応用されるようになってきたのです。

実際に弊社の取り扱っているツールを例に挙げると、テレビCMを流した時間帯や放送番組、CMの素材ごとに、その後のWebサイトのアクセス数やCVなどの数字を明らかにすることが出来ます。

そして、どの時間帯のCMがコストパフォーマンスが良かったか・悪かったかを明らかにして、次回のプランニングに活かすという仕組みです。さらに消費者リサーチによって、CMを見た後の態度変容なども測定して補足することも可能です。

これによって、Web広告のようにAIで全部自動で回せるわけではありませんが、テレビCMでもある程度数字を見ながらPDCAが回せるようになりました」

──なるほど。つまり、費用対効果の高いCMの出稿方法に絞って出稿できるわけですね。

沖田
「黒川さん、いま広告をCMのみで行っている企業は少ないと思いますが、どの広告に触れて、どのように態度変容を起こしたかというのは、テレビCMの効果測定だけでは計測しきれませんよね。どのように対処していますか?」

黒川
「その場合は、いまやっている広告施策を全部並べて分析するクライアントさんもいます。
とはいえ、相当細かくデータ分析をしないと、どの施策が決定打になったかを出すのは難しいですね。数年分の週次データを揃えて継続して、各施策の成果を分析する方法もありますが、クライアントさん側も週次でデータを揃えるのは大変ですし、多くの費用がかかります。また、実際のアクションに至るまでの認知~態度変容に至るまでのデータも必要になります。

そのため、弊社では消費者リサーチを使うケースが多いですね。

アンケートの設計時に『CM以外にどのメディアで広告を見たか』といった質問を入れることも可能ですし、メディアへの接触状況や、広告を見た人・見ていない人でどれくらいブランド認知に差があるのかを測定することもできます」

──リサーチである程度は測定可能ということですね。では、デジタル広告とオフライン広告の、どちらをどう使えば良いのでしょうか?

黒川
「目的に応じた使い分けが大事です。
というのも、キー局のテレビCMのリーチ単価は1人当たり0.2〜0.3円で、Web広告に比べて非常に安いのです。
※金額は出稿するテレビ局や季節、時間帯等によって異なります。

そのため、例えばキャンペーン開始を認知させたい、新しいブランドを認知させたいというように、ある程度一気に認知を獲得するのが目的の場合は、テレビCMをバーンと打ったり、YouTubeと組み合わせてリーチを広くすることで「世の中ゴト化」を狙う方が、デジタルの運用型広告で訴求するよりもシンプルだったりします」

──クライアントの目的によって、デジタル広告とオフライン広告を使い分けるのですね。

黒川
「そうです。ただし、認知拡大のためにCMを打ったなら、その後の導線も準備しておかなくてはなりません。

CMを見た人がブランド名や関連キーワード等をスマホで検索をしたとき、検索結果で自社のWebサイトが上位表示されていますか? されていないなら、リスティング広告で検索結果の上部に表示されるようにしておきましょう、と提案することもあります。

また、ユーザーがWebサイトを見たとき、トップページにCMと連動した要素が何もない場合もあります。そのようなサイトには『CMと連動した要素』をはじめ『お問い合わせはこちら』という導線や、CMに合わせたLPを作りましょう、とお話しする場合もあります」

──つまり、オフライン広告でも、Webとの連携が大事なのですね。

沖田
「PR会社であるラクレタの場合は、メディアへの露出がどのような成果につながっているのかが、重きを置かれるKPIの1つになっています。
たとえば、テレビなどのオフラインメディアに露出した際、企業のWebサイトへの流入がその時間中でどう増えたのか、といった部分を見ていますね」

──では、メディアを使って認知拡大したいときは、PRとCMのどちらが良いのでしょうか?

黒川
「PRで一気に行けるんだったら、それが1番いいですね。

新規で初めてCMに取り組みたいクライアントさんの中には『CMやっただけで電話がじゃんじゃん鳴る』と思っている方もいらっしゃるのですが、それは意外と難しいんですよ。

その反面、CMではなく普通にニュースに取り上げられただけで、ものすごい量の問い合わせがあった、という方もいます。それがきっかけで『テレビCMをやりたい』という相談が来ることもあります。

やはり、PRでメディアに取り上げてもらえると効果があるんだな、という風に私たちも感じていますね」

沖田
「PRでメディアに取り上げられるには、新しい商品/サービスなどのニュースバリューがあるかどうかが1番です。ただ、これだけでは瞬間風速的な話題で終わってしまいます。
我々は、PRでメディア露出された後に、いかにSNSで話題にしてもらえるか、2次的な反応が起きているかまで見ています。

さらにその後、テレビCMなどを追加することで、消費者に商品/サービスが忘却されないようにできると思っています」

──連動して運用するということですね。では、オフライン広告とデジタル広告の掛け合わせの成功事例を教えてください。

黒川
「弊社は大学や専門学校の広告も手がけているのですが、文教市場は駅張りポスターや学校案内のようなオフライン広告と、テレビCMやWeb広告といったデジタル広告がほぼ同時に動いています。

ある学校さんの例ですが、テレビCMをたくさん打っていたときに、以前から出稿していたWeb広告のCPAが、大幅に下がったことがありました。不思議なことに、ネットやTwitter上でそれほど大きな話題になっていないのに、そのようなことが起こったのです」

沖田
「それは、世代的にテレビCMを見た際に、気になったらすぐWebで調べる反応の速さも関係しているんでしょうか?」

黒川
「そうですね、テレビCMだけ・Web広告だけではなく、トータルでみるとすごく効果があったと気づきました。
このCMにはCPA運用型の分析システムを導入していたのですが、そこの分析ではCMとCVの関連性は少ないと出ていました。しかし、CM前から継続していたWeb広告のCPAは大幅に改善されていたのです。

つまり、テレビCMを目にした後にWeb広告に触れることで『あ、見たことある』とブランドが再認知されて、広告クリックへのハードルが下がる効果があったのではないかと思います。

やはりWeb広告でも、ラストクリック偏重ではなく、そこに至るまでにどこを経由してきたのかという、アトリビューション分析が大事なのではないでしょうか」


「これからのTVCMと目指す未来」編は以上です。

ぜひ、次回もお楽しみに!

今回、ご紹介した「CMの窓口」に興味のある方は下記から詳細をご覧ください。

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▼こんな方におすすめです。
CMを作りたいけど何から始めればいいかわからない
自社のサービスやブランドの認知度をアップさせたい
運用型でテレビCMを実施してみたい

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