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広報担当者スキルの土台を作るプレスリリース講座

今回は、広報ご担当者の方々からご要望の多かった「プレスリリース」にフォーカスを当て、記事をお届けしたいと思います。

プレスリリースとは、ご存知の通り「報道機関に向けた情報の発信・告知のこと」ですが、リリースしたものがすべてメディアの目に留まるとは限りません。

なぜでしょうか? 

メディアによっては1日に1,000通以上のプレスリリースが届くこともあり、その中から封が開かれるリリースは雀の涙ほど。メディアにとって魅力的なプレスリリースでなければ、目に留まることすらありません。

本記事では、プレスリリースについて「どうすればメディアにとって魅力的な内容にできるか?」の視点から、プレスリリースの効果や作成方法など、基本的な知識をお届けします。

プレスリリースを日頃作っている方には作成ヒントを、これから初めて作る広報担当者にとっては基礎を固めるきっかけになれば幸いです。

■この記事について

  • 読了目安:8分
  • ページ数:2ページ

プレスリリースがあらゆる事業・製品・サービスで使われるのはなぜ?

結論から言えば「宣伝」、この一言に尽きます

例えば新製品・サービスを展開するにあたり、デジタル広告やマス広告などで宣伝費を支払っての告知には膨大なコストがかかります。企業ブログを中心としたコンテンツマーケティングでは、コンテンツの検索結果順位が上位に行くまで1年近くはかかるのでローンチ時の施策としては不適切。こうした状況では、メディアの力を存分に活用することが効果的でしょう。

新製品・サービスのローンチ、あるいは新規事業を立ち上げる時などにメディアに対してその情報を発信し、興味が持たれればメディア内で紹介してくれる可能性があります。

それが「WBS(ワールド・ビジネス・サテライト)」のようなビジネス系TV番組だとしたらどうでしょうか?

この番組の2021年4月1日の視聴率は5%。つまり、WBSで自社製品・サービスなどが紹介されれば、日本全国のうち5%の世帯に情報が行き渡ったことになります。世帯ごとの平均人数を3人と仮定すると、630万人もの人にリーチできるという結果に。非常に魅力的ですね。

もちろん、メディアに対して情報をリリースしたからといって必ず取り上げられるわけではないですし、難度も相当高いのが実状です。リリースを封書で送るのか?FAXで送信するのか?あるいはメールで?発信方法を考えるだけでも、頭が割れそうに悩んでしまいます。

具体的な発信方法等は後ほどご紹介するとして、次にプレスリリースの効果を確認していきましょう。

プレスリリースで期待できる6つの効果を具体的に紹介

効果①:メディアに取り上げられた場合の爆発的な宣言効果

メディアは常に、新しく斬新なニュースを求めています。

自社の革新的な取り組みなどをプレスリリースによって情報発信し、メディアに取り上げられればその宣伝効果は計り知れません。メディアによっては前述のように、数百万人へのリーチが期待できます。

メディアといっても著名なTVや新聞に限らず、国内には数千・数万ものメディアが存在します。例え数百万人の人に情報を届けられなくても、自社ビジネスに関連深い企業・人へ的確に情報が届けば、それもまた企業や製品理解に対して絶大な宣伝効果を生みます。

効果②:自社ブログメディア等があればコンテンツとして活用

近年では企業独自に保有する「オウンドメディア」が普及しています。製品・サービスサイトやブログなど多種多様に存在し、それらのメディアに掲載するコンテンツとしてプレスリリースを活用する企業も目立ってきています。

特に自社ブログメディアに掲載する場合、SEO(検索エンジン最適化)を意識して検索結果順位が上位に表示されるようにすれば、ドメイン強化などコンテンツマーケティングにも貢献します。

効果③:メディア以外にもプレスリリースをチェックする企業・人がいる

メディア以外にプレスリリースを確認する企業・人がいます。

誰か?それは、投資ファンドや投資家です。彼らは常に成長性と新規性の高いビジネスへの投資を検討しており、その情報源としてプレスリリースを活用します。このため、ベンチャーやスタートアップにとってプレスリリースはビジネスチャンスに繋がるような重要なレターの役割を果たします。

効果④:ソーシャルメディアで情報が拡散される可能性

メディアと言えば、外せないのがソーシャルメディア。FacebookやInstagram、TikTokなどのSNSでは多くのユーザーが情報のやり取りを日常的に行なっており、そこでプレスリリースがシェアされれば情報が爆発的に拡散される可能性を秘めています。

企業アカウントにてプレスリリースを発信したり、あるいはプレスリリースをもとに魅力的な文章や施策に変換して情報発信をしたりすれば、ソーシャルメディアという選択肢も視野に入れられます。

効果⑤:ブランディング効果で企業価値アップ

ブランディングが重要であることは理解しつつも、具体的にどう取り組めばよいか分からない広報担当者は少なくありません。デジタル広告を出稿すべきか?SNSで企業アカウントを運用すべきか?選択肢が多いあまり、悩んでしまうこともあるでしょう。

プレスリリースは場合によって大きなブランディング効果をもたらすので、今までブランディング施策に迷っていた広報担当者の助けにもなります。企業価値がアップすれば、それに伴って製品・サービス価値も向上し、さらには採用活動を他社よりも有利に進めることもできるでしょう。

効果⑥:上記の効果を超低コストで実現可能

コンテンツを内製化できると、人件費を除けばゼロコストで作成できます。プレスリリースサービスでの配信は1コンテンツあたり20,000~30,000円程度なので、たった30,000円程度で①~⑤の効果を得られるかもしれません。

もっとも、プレスリリース向けの原稿作成をPR会社に依頼するケースも多いため、その場合は相応のコストが発生します。ただし、デジタル広告のように際限なく費用が発生するものではないので、やはり費用対効果は高くなるでしょう。

プレスリリースの作成方法と基本的なテンプレート

プレスリリースの基本的なテンプレートになるのが、次の項目です。それぞれ解説していきます。

  • タイトル
  • リード文
  • 本文
  • 画像
  • 連絡先
  • 企業情報

タイトル

あらゆる製品・サービスは、そのタイトル(名称)によって売上が大きく変動します。書店に訪れてタイトルに惹かれて手に取ったビジネス書を読むと、何てことはない、当たり前の内容が並べられていた、という経験はないでしょうか?皮肉ではありますが、出版社や著者にとっては、読者の感想がどうであれ販売実績として売上は売上です。

もちろん、タイトル負けしないように製品・サービスは素晴らしいものにすべきなのですが「それだけでは売れない」のもまた事実。タイトルの影響力は非常に大きく、プレスリリースでも同様です。メディア担当者の目を惹くような、魅力的なタイトルを用意しましょう。

タイトル

タイトルから本文への「つなぎ」になる部分。タイトルの次に重要で、リード文を読んだ所感でメディアへ露出されるかが7割方決定すると言っても過言ではありません。プレスリリースに限らず、全てのコンテンツでリード文は重要です。

ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞したジャーナリストの木村元彦氏は、「原稿はフルコースの食事に似ている」と表現しています。最初の一口で「美味しい」と思わせ、もっと食べたいという欲求を引き出せるか。最後の一口で「美味しかった」と思わせられるか、この2つが重要だと言います。最初と最後が最高なら、途中がまぁまぁだとしても強い印象を残せるというわけです。

これは途中を疎かにして良いわけではなく、それほど「最初と最後の一文が大切」ということです。

本文

一般的なプレスリリースはA4サイズ、1~2枚分ですが、最近では長文のプレスリリースも増えています。その理由は、「製品・サービス等が誕生した背景やストーリーを訴求するため」です。

メディアが求めているのは、話題性の高いリリースです。単に製品・サービス情報を記したような取扱説明書のようなリリースは全く魅力的ではありません。

読みやすさを重視して、テキストの配置を考えるのも大切です。全文が読まれるとも限らないので、重要事項はできる限り全面に出していきましょう。

画像

画像は必ずしも必要なわけではなく、広報担当者によっては「視覚情報をテキストに集中させたい」という考えから挿入しないケースもあります。

ただし、直観的に理解できるような画像があるとプレスリリースへの理解度が深まるのは確かです。製品・サービスのプレスリリースでは関連画像を用意し、メディア掲載した際の具体的なイメージが湧くよう心掛けることが得策です。

連絡先&企業情報

メディアからの連絡を受けるために、連絡先や企業情報といった基本情報は必ず記載しましょう。今は連絡手段が多様化しているので、Eメールや電話番号だけでなく、SNSやビジネスチャットIDなども掲載しておくとなお良いでしょう。

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