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【グローバルPRトピック】ブランドのコミュニケーションプランにインフルエンサーマーケティングが必要なわけとは?

【出典】PR WEEK “Why influencer marketing should be part of brands’ integrated plans.”

【翻訳・編集】Lacreta

本記事は、PR WEEKにて発表された「インフルエンサーマーケティング」に関する記事をご紹介しています。日本でもさまざまな企業、ブランドがInstagramをはじめとするSNSを活用したプロモーション施策をおこなっています。

現在、マレーシアではインフルエンサーマーケティングに注目が集まっており、日本に住んでいるブランドマーケター、ビジネスパーソンにも大変示唆に富む内容となっています。ぜひご一読ください。

■この記事について

  • 読了目安:5分
  • ページ数:1ページ

■本記事のサマリー

1.マレーシアのインフルエンサーマーケティングは急成長している一方で、ブランド全体のマーケティング戦略と結びついていない一面もある。

2.インフルエンサーを活用したコンテンツは、訴求相手に対して何度もアプローチできるようにデータ収集が重要である。

3.インフルエンサーマーケティングを適切に使用すれば、販売促進に活用することも可能。

マレーシアのインフルエンサーマーケティングは2022年までに売上150億ドルの到達を予想

 インフルエンサーおよびコンテンツマーケティング企業のNuffnang社と、メディアエージェンシーのPHD社は、インフルエンサーマーケティングを計画する企業や、ブランドマーケターがフレームワークを構築する時に役立つ「戦略ブック」を共同で発表しました。

その内容はインフルエンサーマーケティングに必要な要素が記載されており、「インフルエンサーの選び方」「施策フェーズの作成」、「アプローチ方法」、「予算編成」などが挙げられています。

PHD社の運営統括責任者であるKiron Kesav氏によると、東南アジアにおいて、マレーシアのインフルエンサーマーケティングはフィリピンに続き2番目に急成長している市場とのことです。

過去2年間で年間20%の成長を遂げ、2022年までに150億ドル(日本円で約1兆6500億円)に達する見込みとされています。

さらに、Kesav氏はPR Week Asiaに次のように述べています。

「現状において、インフルエンサーマーケティングは、それだけで独立したキャンペーン活動と見なされています。つまり、インフルエンサーを起用したキャンペーンは、必ずしもブランド全体のビジネス目標につながっているわけではないのが現実です。

マレーシアのブランドは、単にフォロワー数が多い4〜5人のキーオピニオンリーダーの中から選択するだけのインフルエンサーマーケティングを検討することが多いのです。

Kesav氏とNuffnang社のチームには、「インフルエンサーキャンペーンを効果測定する、より良い方法はありますか?」、「インフルエンサーにもっと裁量をもたらすマーケティング方法はありますか?」、「どのくらいの予算があれば十分ですか?」など、ブランドからの質問が絶えず殺到しています。

こうしたニーズに応えるように、Nuffnang社とPHD社の2つの組織は、ブランドからの質問に答えるだけでなく、インフルエンサーマーケティングを単純にマーケティング戦略の上位に組み込むだけでもない、より統合されたモデルを示す「戦略ブック」を発表することにしたのです。

Kesav氏によると、「インフルエンサーキャンペーンは、ブランドの目的とまったく関係のない施策では意味がない。このポイントは忘れられがちですが、無駄な努力をしないためにも非常に慎重に取り組むべきです。」

インフルエンサーコンテンツは多くのデータを獲得するためのトラッキングコードが必要

Kesav氏はインフルエンサーコンテンツについて、次のようにも語ります。

「インフルエンサーの投稿は、ただ自分のコンテンツを投稿するだけで終わらせている傾向があります。インフルエンサーの投稿がフォロワーに影響を与える場合、そのコンテンツはブランディングのために機能します。結果がそうでなければ、キャンペーンを行ったブランドはインフルエンサーマーケティングについて何をすべきかわかりません。それが、私たちがインフルエンサーコンテンツから得る一般的な認識です。私たちがクライアントに対して実行させようとしているのは、インフルエンサーコンテンツの一部としてトラッキングコードを用いて、アクセスしてきた彼らのフォロワーに再びアプローチできるよう、より多くのデータを収集することです。

「トラッキングコードの使用はデータのスマートな使い方であり、インフルエンサーマーケティングで得られたすべての情報データをまとめることができます。」

インフルエンサーを適切に活用すれば販売促進や購買意欲の喚起にも

さらにKesav氏は、「多くのブランドはインフルエンサーマーケティングを、ブランド認知度を高めるための目標到達プロセスの最上位に置く、という間違いを犯しています。なぜなら、インフルエンサーマーケティングは、独立したキャンペーンとして行われており、ブランド全体とは結びついていないからです。一方で、インフルエンサーはブランドへの愛着を作ることや支援の輪を作ること以上に、本格的な活用ができるポテンシャルがあります。」と主張しています。

「ブランドへの評価を構築したい場合は、必ずインフルエンサーが参加して、特定の製品の使用方法や、製品を何かのメディアに組み込む方法について話し合う方法があり、また彼らを適切に使用すれば、直接販売を促進することもできます。実際、インフルエンサーを中心に作成された原価計算モデルがあり、一定レベルの売上をもたらしています。」とKesav氏は続けます。

戦略ブックからフォロワーの意見を引き出すには、次のようにします。

フォロワーが商品やサービスを購入するなどの行動を起こす転機は、彼らに、よりパーソナライズされた情報が伝わったときです。ここでインフルエンサーが登場します。」

「フォロワーに対してインフルエンサーの影響力がどれくらいか」に基づいてリストを構築後、ブランドはそれらを活用して、彼らがメッセージを配信するためにフォロワーとつながるようにします。」

インフルエンサーキャンペーンで重要なのは、ブランドとの自然な親和性

ブランドがコンテンツに関して、インフルエンサーの持っている専門性や個性、スタイルと一致していることを確認する必要があるのは当然です。

しかし、インフルエンサーマーケティングの分野では、ブランドは不自然なメッセージングはうまくいかないことをまだ理解していないようです。

「コンテンツは設計から実行までスピーディに行うことで、影響力が強まることがあります。そして、ここに最大の課題が1つあります。インフルエンサーマーケティングは、ほとんどがFacebook、Instagram、YouTubeなどのソーシャルプラットフォームで行われるため、双方向のコミュニケーションであるという意味で、他の形式のマーケティングとして扱うことはできません。

これはブランドが言いたいことを「ちょっと流行らせる」のに適した分野であり、インフルエンサーは彼らの「ファン」が購入したいものの、希望に基づいてコンテンツを作成します。

インフルエンサーがコンテンツを通じて個性を発揮する自由な裁量を持っている場合、フォロワーとの共感を高める傾向があります。それは言うまでもなく、インフルエンサーも自分が選んだスタイルでコンテンツを制作する裁量があり、さらに個性的なコンテンツに挑戦しやすいためです。

インフルエンサーマーケティングの現状とこれから成功させるための方法とは?

Nuffnang社のマネージャーであるKausernHieu氏は、PR Week Asiaでこのように語っています。

「インフルエンサーとブランドがメッセージングとプレゼンテーションに関して、ますます洗練されてきています。製品の価値(バリュープロポジション)がすべてである時代は終わりました。最近では、このマーケティング手法は、あまりうまく機能していないため、私たちは疑問に思っています。実際には、インフルエンサーはその製品をどのように生活に取り入れているか、ということが重要なのです。」

信頼性はブランドが真剣に取り組むべき大きな要素であると彼は付け加えました。

インフルエンサーはフォロワーなどを購入してコンテンツを増やすことができます。しかし、重要なのはインフルエンサーの信頼性です。

フォロワー買いをするインフルエンサーは、ブランドのリテラシーを著しく下げるだけでなく、炎上して企業の信頼を失うリスクがあるため、ブランドはインフルエンサーに運用のルールを細かく規定することが大切です。

インフルエンサーキャンペーンに正しい予算配分をすることは依然として課題です。ほとんどのブランドが標準的な価格に基づいてインフルエンサーに一定金額の支払いを決定する場合、一歩引いて全体を把握し、より相対的な観点から予算配分を検討することが大切です。つまり、ブランドまたはパートナーエージェンシーは、全体的なマーケティング予算を調べて、インフルエンサーマーケティングが、予算のどこに当てはまるか、それをどのように拡大して目標到達プロセス全体に分散できるかを確認する必要があります。

キャンペーンのフェーズもブランドの問題です。

インフルエンサーによる投稿やストーリー数、投稿を一度にまとめて出すか、それとも時期をずらして出すか、これらの課題をインフルエンサーと一緒に考える際、多くの場合「認識のズレ」を生むようです。

Kesav氏によると、これらの質問には明確な答えがありません。「戦略ブックには、私たちがテストから目標達成までの試行錯誤を続け、さまざまなキャンペーンから学んだことを取り入れています。」

この戦略ブックはマレーシアにおいて、インフルエンサーマーケティングを最強で、最も効果的な戦略にするため、また認知度を高めることと彼らを教育するため、ひいては最上位のマーケティングファネルになることを明らかにしています。


いかがでしたでしょうか? インフルエンサーマーケティングは今や日本でも、非常に身近なマーケティングソリューションです。商品やサービスの認知獲得だけではなく、活用次第では、信用形成やブランディングといったビジネスの根幹にも必要不可欠な効果をもたらすことが示唆的でしたね。

ステマや炎上を避けつつ、いかにして彼らの影響力や効果を最大化させていくか、今後も様々な試行錯誤が続けられていくのだと思います。

弊社は、広報課題の解決策としてインフルエンサーを活用したソリューションを提供しています。今回の記事のように商品、サービスの認知だけでなく、生活者との友好的なエンゲージメントを築きたい、といったご要望をお持ちの方は、ぜひ一度、弊社のソリューションや実績をご覧いただき、お気軽にご相談ください。



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