【ラクレタ対談】
これからのデジタル広告と目指す未来 – 後編 –

今後の未来を切り拓くために、さまざまな業界の過去を振り返り、現在を見つめ直す対談企画です。
前回の「これからのデジタル業界と目指す未来-前編-」では今後のデジタル広告において不可欠なOne to One マーケティングや広告の効率化のためのPRの役割などをご紹介しました。
■この記事について
- 読了目安:5分
- ページ数:1ページ
■本記事のサマリー
- LTVの向上には、顧客との関係性を育てていくことが大切
- ニーズを喚起するためには、デジタルマーケティングが有効
- Cookieデータが活用出来なくなる事での代替手段の打ち手とは?
One to Oneマーケティングを行なっていく上でポイントになることは何でしょうか?

沖田
「企業が重視しているファクターとして、LTV(ライフタイムバリュー)があります。
多様化したニーズに応えるべく、One to Oneで商品/サービス開発をすることで、初期投資コストは上がっていきます。しかし、その分長く愛用していただければ、結果的にコストは下がりますよね。
そのためには『ユーザーを他社のブランドにスイッチさせないための施策』が企業の課題になります。分かりやすい例として、サブスクや定期購入などがありますね。
つまり、LTVの向上には、商品を購入されてそこで終わりではなく、いかに顧客と関係性を育てていくかが大切です。
たとえばiPhoneがずっと10のままだったら、顧客は離れていきますよね。
それを防ぐためには、既存の顧客に対して商品/サービスのアップデートをする、前回以上のソリューションを提供する、という企業側の努力が必要です。
我々はこの企業側の努力を、PRとマーケティングの視点から、デジタル施策でサポートします。
デジタルマーケティングによって顧客一人一人を細分化し、最適なメッセージを届けることで、LTVの向上に貢献していきます」
デジタルを使って見込み客や既存顧客の細分化が可能なのですね。
では、PRとデジタルマーケティングの融合による成果事例を教えてください。

沖田
「2021年7月30日に飛騨高山にオープンしたhotel around TAKAYAMAの事例を紹介します。ラクレタで開業に合わせたローンチのお手伝いをしました。
開業における施策としてホテルの内覧会を実施したところ、岐阜県高山市という立地にも関わらず、約30のメディア取材がありました。結果的に、テレビ・新聞・雑誌・ラジオ・Webあわせて60件ほどのメディアに紹介されています。
なぜそんなに多くのメディア掲載が可能になったかと言うと、メディアが興味を持つであろう『サステナブル・トラベル』というコンテキストを作ったからです。
hotel around TAKAYAMAには、飛騨高山の観光地を100枚のカードにした『GOOD LOCAL 100』や、自分が見つけたおすすめスポットの情報を他のユーザーに残せる『GOOD LOCAL MAP』など、ホテルがハブとなってユーザーが地域を回遊する仕掛けが数多くあります。
このような、ユーザーと地域の繋がりをより長く続かせる仕組みを『サステナブル・トラベル』としてPRしたのです。
これがメディアの注目を集めて、期待値を上回る成果に繋がっております。
小池
「もともと飛騨高山へ興味関心がある層は、PRでメディア露出した段階で『あ、ちょっと良さそうだから行ってみよう』と比較的容易に態度変容を起こしてくれます。
しかし我々は、そこからさらに『飛騨高山に興味関心がない人たち』のニーズを喚起するために、PRにプラスしてデジタルマーケティングを活用します。
たとえば、一般的な旅行は、どこに泊まって何をするか事前に予定を決めて出発するケースが多いと思います。
ところが、hotel around TAKAYAMAでは、事前のPRによって『ホテルだけ予約して、あとは現地で決められます』『サステナブル・トラベルができますよ』という新しい訴求軸が使えるのです。
つまり、もともと飛騨高山に興味関心がなかった層に対して、PRを使って興味関心の種をまくやり方です。
さらに、デジタルマーケティングではユーザーごとに『この人なら、こういうアプローチをすれば興味を持ってくれるよね』というパーソナライズ化した広告が打てます。
たとえば、40代男性でも子供がいる人と独身男性では、旅行に求めるものが異なりますよね。デジタルで属性を分類することで、見せる広告を使い分けできるのです」
──攻めのPR施策と言えますね。最後に、今後のデジタル施策の中心となる考え方は何でしょうか。
小池
「やはりOne to Oneマーケティングですね。
Web広告のターゲティングに使用していた3rd Party Cookieは、2022年までに廃止が決まっています。その代替手段として、クライアントの持つ会員データやユーザー自身のSNSの登録データ等を活用する手法が進められています。
そういった技術を使ってユーザーを細分化し、一人一人に最適な広告を展開していくことが、今後のデジタル施策のテーマになってくると思います」
沖田
「私は、PRとデジタルマーケティングの融合です。
この2つを両輪で運用することで、お互いの弱い部分を補完しながら、高い効果が期待できる。つまり、無駄がなく、かつ効率よく、ブランドの育成とマーケティングの活性化に結びつけられると言えるでしょう」
2週に渡ってお届けしました「これからのデジタル広告と目指す未来」編は以上です。
ぜひ、次回もお楽しみに!
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